ミルクを終えてみて
これまで沢山のバイブルスタディを経験してきました。どれも素晴らしかったのですが、今回のミルクはその中でもユニークでした。ですので今回はミルクとの個人的な関わりにフォーカスして、神様がどのように働かれたのか証しさせていただきたいと思います。
それは、3年前でしたでしょうか。SLIMの世話人で集まって合宿した所から始まりました。そこで使徒信条に沿って聖書を体系的に学ぶテキストを作ろうというビジョンが与えられました。対象者はクリスチャン、特に洗礼を受けられたばかりの方です。それからは毛利さんがテキストを一つ一つ作成していきました。
そして毛利さんをリーダーとしたスモールグループを作り、実際に体験することで「リードの仕方」も学ぶことになりました。メンバーは毛利さん、内村先生、まり子さん、ユリさん、朋君、私、の6人でした。世界中を飛び回っている方も多く、時差もありますので、全てオンラインでのスモールグループとなりました。集まれない人がいる時は録音しておいて、後で聞いてもらうということで対応しました。
初めは「オンラインスモールグループ」と言うものがどう言う風になるのか少し心配もありました。特にこの濃いメンバーでは特に不安でした(冗談)。でもその心配が必要ないことがすぐわかりました。毛利さんのリードは素晴らしく惚れ惚れとするものでしました。テキストを読んで機械的に質問をこなしていくのではなく、躍動感があり、笑いにあふれていました。
「組織神学入門」のようなものかと思っていましたが、それ以上のものでした。「解釈を学ぶ」のではなく、「聖書は何と言っているか」を自ら発見する旅でした。「個々の知識を学ぶ」というより、「み言葉がどのように有機的につながっているか」を体験する旅でした。
皆さん、ルカ24章の「エマオの途上」をご存知かと思います。十字架刑に落胆して帰省する弟子たちに、復活のイエスが近ずいてきて説き明かしをするという箇所です。「自分たちはエルサレムで起こった出来事を知っている」と思っていた弟子たちに、イエス様は聖書全体を通してた繋がりを説き明かされました。それによって目が開かれた弟子たちの体験と同じことを何度となく実感しました。
「リードの仕方」を学ぶはずが、メモをするのも忘れ、説き明かしに聞き入っている自分がいました。内村先生はじめ、皆さんの視点やコメントに学んだこと、ハッとさせられたことも何度もありました。そこには喜びがあり、悔い改めもあり、神様の愛がありました。
さて、私たちはこうした恵みを与えられるだけではなく、実際にMILKを用いてリードしていくという実践も体験していきました。与えられた道具の使い方を教わるだけではなく、それを使うことで道具を使いこなせるようになるのが目的です。どんなに道具が良くても、使いこなせなくては宝の持ちぐされになります。具体的には、SLIM16で希望された方々、オランダ、バルセロナ、ミラノ、東京での総勢30〜40名の方々と共に学んでいきました。私はオランダ南部日本語教会の約10名とは礼拝後学びの時を持たせていただいています。
SLIM16で手を挙げられた4名とはスカイプで、ほぼ毎月続けることができ、先月全て終えることができました。もちろん熟練したマイスターまではまだまだです。それでもこのように共に一歩を踏み出し、一つのマイルストーンに達したことは大きな喜びでした。
さて、このように構想の段階から関わらせていただきましたが、一つだけ悔やまれることがあります、、、、。それは、もっと早く出会っていなかったことです。これがどいうことか、私の個人的な証をわかち合わさせてください。
私は20年前イギリスで信仰を持ちました。そしてその数年後に就職先のドイツに移動し、シュトゥットガルト日本語教会で洗礼を受けました。教会では役員となり、教会運営にも関わるようになりました。会社や補習校での経験を活かしながら、試行錯誤で教会運営に携わらせていただきました。全体的には神様に大変祝福された教会生活となりました。
しかし私の信仰的な基盤はまだまだ弱く、この世的な運営判断による失敗や痛みも経験しました。霊的に未熟なゆえの教会の中での痛みや悲しみ、、、同じような経験をした方もいらっしゃるのではないでしょうか。海外の日本語教会には様々な信仰の背景を持った方が集まります。ですので「お互いを見るのではなく同じ方向を見る」ような信仰の一致がより重要になってきます。
10年前の私が、あの時にこのようなテキストがあったらどんなに良かったかと思います。神様のビジョンと計画。そしてそれに対抗する霊的な戦い。これらが教会の中で共有されていれば、どれだけたくさんの痛みと悲しみを避けることのできたかと思います。
もっと早く出会っていなかったこと。そのことが唯一悔やまれることです。しかしそれ以上に、私は神様に期待しています。神様の計画に従って召された私たちが集っています。このタイミングで、風を起こされようとしている神様に多いに期待しています。
最後に、このMILK作成に関わってくださったお一人お一人に感謝して私の証しとさせていただきたいと思います。