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救いの証(山田桂子)

私の生まれ育った家庭にはクリスチャンが一人もいませんでした。むしろ熱心に毎日朝と晩に仏壇の前に正座をして、お経を唱える祖母と同居し育ちました。


幼稚園はミッションの幼稚園へ通ったのですが、そこでは毎日お祈りの時間があり、「いつも優しい神様、イエス様」と呼びかける先生のお祈りを静かに聞き、皆で最後にアーメンと斉唱するのが好きでした。


小中学校はミッションの学校ではありませんでした。勉強がよくできるクラスメート達に対しての劣等感が私の内に大きく膨れ上がり、学校の成績や、友達関係で悩みが多く、自分にまったく自信がありませんでした。不登校にこそなりませんでしたが、毎朝登校するのが億劫だった時期もありました。毎日の祈りがある生活からは遠ざかっていたのですが、特に辛い時には困った時の神頼み的に「明日は楽しい一日となりますように」と願い事を捧げていて、何か頼れるもの、助けてくれる何かを探していました。


そんな環境から離れたく、高校は私立を選びました。仏教系の学校など候補があった中、知人の勧めが最後の決め手となって選んだ高校は、図らずもミッションスクールでした。先生方の9割はクリスチャンで毎朝礼拝がありました。クリスチャンの生徒もいました。私は単純な性格です。聖書の授業や、礼拝でのメッセージで教えられることも反抗心なく受け入れていました


その高校生活で衝撃を受けたことがあります。一つは初めてお祈りで、神様への感謝を聞いた時でした。幼稚園以来久々に聞いた祈りは、悩みを打ち明け、罪を告白し、主を讃美するという新鮮なものでした。特にある同級生の、自然な言葉遣いで型にはまらず、身近な方に語りかけている様な祈りを聞いたときは、彼女と神様との距離の近さを見たようで、うらやましくさえ感じました。それまでの私は御願いのみでしたが、祈りとは神様との対話という事を学びました。


そしてもう一つはある日の聖書の授業で第一コリント13:4-7の「愛」についての箇所を学んだ時です。神は愛であり、その愛とはどのようなものなのかと教えられました。これほどまでに愛について詳しく、断定的に教えているものは聖書の他には無いし、今まで私が漠然とイメージしていた恋愛や親子愛などといった人間の感情的なものとは大きく次元が異なっていました。人の感情は度合いに波があったり、変化します。しかし神様の愛は「決して滅びず」私達を丸ごと受け入れてくださっていて、その中にはできの悪い私も含まれているのだと知った時、なんと有難いことかと、クリスチャンになりたいと思ったのでした。又、人の姿をとられたイエス様が、罪ある私たちの身代わりに十字架の死にまで従われた事を学んだ時、聖書の愛の教えの一貫性によくできているなぁと感心しました。


ある日、偶然隣席になった欠席がちなクラスメートに、明日は私が待っているから学校へ来るように声を掛けました。私にとっては小さな行いでしたが、彼女にとっては大きな事だったらしく、気持ちが救われたと非常に感謝され、その後大親友となりました。私は親友を求めていたので嬉しかったですし、彼女も同様でした。人の行う愛の業は小さいけれども、神様はそれを大きく用いて明るく励ましてくださるのだと、クラスの愛唱讃美歌の歌詞そのものだと驚きました。


信仰を持つまでに、神様にドラマティックに何かの願いを叶えられたという経験はありません。

ただ、このように神様の存在を体感した時、私の単純な性格故にその感動がすんなりと心に吸収されました。そして学校課題の教会出席レポート提出の為に通っていた教会には卒業後も通い、数年後洗礼に導かれました。


クリスチャンになった後も、辛い思いはもちろんしますし、劣等感に支配される時もあります。しかし悩みや悲しみに対して恐れが少なくなりました。今の世の中には、世間の視線、他人からの評価を気にして意識的に、無意識的に自信を失い、それ故に自力で何とかしようと戦い、疲れ、空しくなり、愛を求めている人、愛してもらいたい人が大勢いるように思います。私達は既に愛されているのです。それも神様から。その事実を知り、受け入れて、神様と対話しながらの歩む人生の心強さ、素晴らしさをおすすめしたいと思います。


私が励まされた御言葉です。


「神は愛です。愛にとどまる人は、神の内にとどまり、神もその人のうちにとどまって下さいます。」ヨハネ第一4:16


まず神様の愛を信じ、頼ってみると、神様は私たちの内にとどまってくださいます。不思議な力で励まし、導いて下さいます。

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